学校給食の取り組み
地場産物で食の安全・安心
愛知県教育委員会 健康学習課長
長谷川勢子さん
昨年は、東日本大震災の津波により、福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故が発生しました。改めて自然の驚異を痛感させられ、地震大国と言われる日本の自然環境の中で生活することを考えさせられた一年でした。
そして、放射能汚染の不安から食の安全・安心への関心が非常に高まっています。
愛知県における大気環境中の空間放射線量率及び雨やちりなど大気中降下物の放射線モニタリング検査によると、測定結果は事故前と変化はなく、本県で生産される農産物には影響はないと考えています。
学校給食は子どもたちが毎日食べるものであり、その食材は安全で安心なものでなければなりません。主食であるお米は、(財)愛知県学校給食会が県内産の米飯を提供しており、放射能検査を実施した結果、検出されていません。また牛乳も全て県内産で、乳牛のえさは海外輸入の飼料が使用されています。
本県では、学校給食における地場産物の使用割合を平成27年度には、現在の37%から45%以上とすることを目標に掲げ、地産地消に取り組んでいます。
そこで、今年度から、「愛知を食べる学校給食の日」を年3回実施することとしました。食育月間である6月、旬の食材が豊富に流通する秋、そして1月の学校給食週間に実施しています。是非、1月の献立表をご覧になってください。地元の食材を積極的に取り入れた「地産地消」の学校給食に出会えるはずです。
名古屋市教育委員会 学校保健課長
原田雅之さん
私たちが暮らす名古屋や愛知には、風土によって生まれ、長い歴史を越えて人々に大切に守り育てられてきた食文化があります。平成二十三年度より本市では、名古屋や地元愛知の特産物を使う献立や、身近な郷土料理及び名古屋めし等を「ふるさと献立」と呼び、給食指導の重点として取り上げています。
例えば、この地域に伝わる豆みそを使った「みそ煮」や「みそおでん」「どてどんぶり」等は、児童に人気の高い献立として定着しています。味がよい鶏肉として全国的に知られる名古屋コーチンを使った「とりすき」は、市制施行を祝う献立として誕生しました。その他、天むすをイメージした「名古屋風手巻き」や名古屋めしとして親しまれている「みそカツ」「あんかけスパ風めん」等の献立を通して、名古屋の味覚を味わうことができます。
学校給食は、食育を推進する生きた教材といわれます。今後は、ここに紹介した「ふるさと献立」に加え、姉妹・友好都市にちなんだ献立等も併せて取り上げ、食文化に対する理解や郷土に対する愛着を深めていきたいと考えます。
財団法人愛知県学校給食会理事長
長谷川 純一さん
昨年三月に発生した東日本大震災により、被災地はもとより社会全体への影響が大きな問題になっております。
本会におきましても、物資の製造工場が壊滅的な被害を受け、取扱いを一時中止せざるを得ないなど、学校給食用物資の手当てにおいて、少なからず影響が出ているのが実状です。さらに、原発事故の影響により、食材への放射能汚染の不安が高まり、本会取扱い物資の全品検査や市町村取扱い物資の一部検査支援など、学校給食に携わる者としてより安全で安心して食べられる物資の提供に努めているところであります。
ご存知のとおり本会は、県内六十四万人余の児童生徒を対象に、給食用物資の供給をしております。近年食育の一環として、県産の農畜水産物を利用した学校給食用物資を積極的に取扱い、地場産物の活用にも努めております。
主食の米飯は、全て愛知県産米を使用し、パンやめん類は、愛知県産の小麦粉をブレンドして製造しております。
また、副食には愛知県産の大豆・れんこん・ふき・キャベツ等を利用して、研究開発した学校給食用物資も供給しております。
今後とも、なお一層関係者の皆様方のご支援とご協力を賜りますよう、お願い申しあげます。
財団法人名古屋市教育スポーツ協会
学校給食課 企画調整専門監 加藤正躬さん
今年度、「名古屋市食育推進計画(第2次)」が新たに策定されました。私ども教育スポーツ協会もこれに呼応し、今まで以上に食育推進に力を入れてきました。具体的には、夏休み中、小学校のトワイライトスクールでの「バター作りに挑戦」、冬休みに小学校の家庭科室で八事五寸にんじんを用いてホットケーキ作りをおこなった「こども料理教室」、そして三月に生涯学習センターをお借りし、人気のある給食献立を作る「親子料理教室」です。
まだ、これから行うものもありますが、参加した多くの子どもたちはできばえに満足し、美味しそうに食べていました。
いずれの場合もまとめの時間で、推進計画でもうたわれている地産地消の説明をしたり、親子で調理する機会の意義深さを話したりして食育推進を進めています。
今年度はまだ、限られた小学校、地域でしたが、今後、徐々に広げていく予定であります。
今どきの給食は、お母さん方が食べていた頃より格段に美味しいと良く耳にします。美味しくなったその献立を親子で挑戦していただく機会を通して、学校と家庭の、親と子の結びつきが強まり、そして学校給食へのさらなる理解が深まれば有難いことだと思っています。

HOME